2017 / 04
≪ 2017 / 03   - - - - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 - - - - - -  2017 / 05 ≫
*admin*entry*file*plugin| 文字サイズ  

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


実験作四作品目




「知らない天井だ」

 お・や・く・そ・く。いや、知らないも何も紅魔館の天井なわけで。どうやら僕は破壊ちゃんに血を吸われた後、この部屋に放り込まれたようだ。とりあえずお礼参りとして、紅魔館を蒼魔館にする計画は実行に移すことにする。
 後、破壊ちゃんとうー☆にはにんにくをプレゼント。悶え苦しむがいいさっ。

「あ、起きたんだ」

「おや中国さん。お仕事は?」

「今日は休み。それと中国言うな」

 華麗にスルー。ベッドの上で体を起こしているだけというのもあれなので、とりあえず降りようとしたらこけた。貧血で立てなくなるとか、破壊ちゃんは一体どんだけ吸ったんだ。
 慰謝料請求したらもらえるかな。

「大丈夫?」

「ぶっちゃけると立てない。血液が不足してます」

「まぁ、妹様に吸われちゃったからねー」

 苦笑する中国が僕の手をとって立ち上がらせてくれる。ありがとう、中国。お礼に花壇の花を食べようと思ってたけど、当初の予定の半分ぐらいにしておくよ。
 でもまずい、普通に立つことも難しいんだけど。どうやって家に帰ればいいの。

「ガッデム。破壊ちゃんには今度思わずお漏らしするような怖いモノ特集DVDをプレゼントしてやる」

 そして余すことなく失禁し尽すがいいさ! 僕はその現場を写真に収めてぶんぶんに提供して、お金をもらう。完璧である。

「そんな事したらお嬢様に殺されるわよ」

「大丈夫、僕には中国という秘策があるから」

「私!?」

「その名も中国バリアー。無駄に頑丈な中国を盾にして僕は無事生き延びるという画期的な優れものだよ」

 黒白のマスタースパーク(どうみてもかめ○め波です)の直撃を受けても尚、割と無事で済んでるんだからきっと良いバリアになってくれるはず。最後の命綱だ。

「あの、人権って言葉知ってる?」

「中国は妖怪だから適用されません」

 妖怪に人権とはこれいかに。

「で、一体何の用なの中国」

「中国言うな。お嬢様に頼まれてね、祐樹を永遠亭に連れて行ってやれって」

 ……えい、えん、ていだと? 迷いの竹林の中にある、あの忌まわしき建造物のことか! 僕をあの場所に連れて行く? 冗談ではない!by金髪グラサン

「僕は薬物のお世話になんかならないぞ!」

「薬物って。永遠亭の薬師に頼めば、増血剤とか作ってくれると思うけど」

「い、嫌だ。僕はあそこには二度と行かないと決めてるんだ。あんな恐ろしい所……あぁ、想像しただけでも震えが!」

 あのさんに会うと考えるだけで、僕は震える。あの人は危険だ、USCさんの次ぐらいに危険だ。それに比べたら破壊ちゃんとうー☆がどれだけマシか。

「まぁ、お嬢様の頼みだから強制だけど」

 中国が僕を担ぎ上げる。こんな荷物のような持ち方はいやっ、せめて女の子の憧れ、お姫様抱っこにして!

「うるさい、落っことすよ」

「ごめんちゃいして」

 交渉の結果、普通におんぶしてもらうことになりました。男だからそこそこ重いはずだけど、中国はそんなの感じさせないほど安定して支えてる。流石妖怪、馬鹿力です。
 中国の背中、暖かいね。とかやったら落とされた。痛ひ。

「ごほごほ、いつもすまないねぇ」

「はいはい、言わない約束でしょおじいさん」

 なんだかんだで中国はノリが良い。そんな中国が大好きです。ところで、なんで僕は中国におんぶされてるんだっけ。この歳で若年性健忘症でしょうか。
 あ、僕の年齢は十八歳ね?

「ねぇ中国、なんで僕おんぶされてるんだっけ。というか、どこへ行こうとしてるの」

「もう忘れたの? 永遠て」

「おーりーるー! 僕おーりーるーのー!」

 思い出して必死で抵抗する。ええい、気を許した僕が阿呆だった。中国はこの親しみやすさで相手を油断させ、とんでもない所へ連れて行こうとしていたのだ。なんという狡猾な妖怪、諸葛亮孔明も真っ青な姦計だ。
 だがしかし、悲しいかな今の僕は哀れな子羊。体の中に流れる赤い液体が足りないせいで、身動き一つ取れないのです。

「そんな事してるうちについたよ」

「ぎゃあああああああああああ!」

 迷いの竹林はもっとちゃんと仕事をするべきだといわざるを得ない。何で迷うことなく永遠亭についちゃってるのかな? 後でこの竹林、燃やしてやろうか。チャッカマン持ってくるよ!

「すいませーん」

「らめぇぇぇぇぇぇぇぇ、おうち帰るぅぅぅぅぅっ」

 マッドさんには会いたくないです。それにここには、マッドさん以外にも兎詐欺と新参ホイホイ、そして自堕落姫もいる。四面楚歌にもほどがあると思うから、早く僕をおうちに帰して中国。

「はーい……って、紅魔館の門番。それに、何やってんの祐樹」

「ひぃっ、新参ホイホイ」

「だからなんなのよその名前は……」

 ブレザーにウサ耳なんて、いかにも新参ホイホイじゃないか。あぁ、恐ろしい……永遠亭は本当に恐ろしい所だよ! だから早く僕をおうちに帰して中国。

「急患。妹様に大量に血を吸われちゃって、動くことも出来ないんだって」

「なるほど。じゃ、中へどうぞ。今は患者もいませんし、すぐに師匠を呼んで来ます」

 \(^o^)/僕オワタ

「その必要はないわよ、うどんげ。こんにちは、祐樹君」

「……僕は会いたくなかったよ、マッドさん」

 ついに現れる永遠亭のラスボス、マッドさん。本業は薬師だけど、医者の真似事も出来るパーフェクト超人。でも僕はこの人が苦手である。言葉やパフォーマンスでどれだけ優しい女性を装っても、その正体は僕を実験体として扱う極悪非道のサディスト薬師なのだ。

「つれないわねぇ、私はずっと会いたかったのよ?」

 にこにことマッドさんが笑う。何も知らなければそれは天使の微笑み、しかし僕からしたらそれは食虫植物が獲物にかかったとでも言わんばかりの恐ろしい笑みにしか見えない。だからここには来たくなかったんだよ!

「うどんげ、増血剤を何個か持ってきて頂戴。美鈴、貴方は彼を部屋に連れて行ってくれるかしら」

「えぇ、構いませんよ。ほら、暴れないでよ祐樹」

「い、嫌だ! 離せ中国、いやお願い離して下さい中国様」

 人間としてのプライドなどなんのその。身の危険を回避できるのなら、僕は中国に頭を下げることは厭わない。だから助けて、中国。

「大丈夫だって。怪我人? 病人? どっちかわかんないけど、そんな人間に無茶は言わないでしょ」

「ば、っか中国、このマッドさんはそんな優しい人なんかじゃ決してない! 根は狡猾な恐ろしい」

「あらひどい。そんな風に言われると傷ついてしまうわ」

 首に痛みが走る。いつの間に近づいてきたのか、マッドさんが僕の首に注射を刺して何かを注入していた。

「かゆ……うま……」

 意識が飛ぶ。次に目を覚ました時、僕は生きていられるんだろうか。




 目が覚める。どうやら無事に生き延びれはしたみたいだ。横になったまま、周囲を見回す。瓶に入った薬品が棚に大量に保管されているところを見ると、まず患者用の部屋ではないことは分かる。
 どちらかというと、"実験室"といった方がしっくりくる。

「絶望した、目を覚ましたら地獄への入り口で絶望した」

「いきなり何言ってるの?」

「ひっ……って、新参ホイホイか」

「だから……」

 へにょりと折れるウサ耳がぷりちー。

「一体僕は」

「師匠が麻酔で眠らせただけよ。それより、増血剤は投与し終わってるはずだけど、どう? 少しはマシになってる?」

 新参ホイホイの言葉に体を動かしてみる。気を失うまでまともに動かなかった体が、鈍いながらも少し動く。でも、ラジオ体操できるかと言われると難しい。精々、腕を振ったりする程度。
 まだ頭が痛い。

「頭痛い。新参ホイホイ、もしかして僕の波長いじったりした?」

「してないわよっ。それはただ単に体調不良なだけ」

 そーなのかー。体を起こして、立てるかどうか試してみるけど少しきつい。ええい、本当にどれだけ吸ったんだ破壊ちゃん。うー☆とかには誠意ある謝罪を要求してやる。その後は無論、にんにくの刑に処す。

「あら、起きたの祐樹君。残念ね

 今ぼそっと何か呟きませんでしたかそこのマッドさん。それとその手にもったカプセルは一体なんでしょう。知りたいかって? 絶対にノーでございまする。

「具合はどうかしら」

「マッドさんに会ったので一気に最悪です」

「そう、特に問題ないわね」

 なんという皮肉の通じなさ。きっと僕とマッドさんでは言葉でのコミュニケーションは取れない。前から分かっていたことだけどっ。さすが宇宙人、言語によるコミュニケーションは無理みたいです隊長。
 新参ホイホイはまだいい子なので大丈夫。自堕落姫も、特に危害を加えてこないので合格。じゃあ何でさっきはあんなに怯えていたのかと?

 だってマッドさんがいるだけで周囲の人たちみんな怖く思えるもの。あ、兎詐欺は僕をよく騙すのでマッドさんの次に危険物指定してます。

「とりあえず増血剤感謝。では、僕は帰ります。早く僕を運送する中国を」

「門番なら帰ったよ?」

 What? 中国が帰った? この僕をおいて?

「もっかい言ってくれるかい、新参ホイホイ」

「その名前やめてってば。門番ならゆっくりもしてられないから、帰るって言って帰ったわよ」

 裏切られた。中国は僕を裏切って自分だけ助かる道を選んだのだ。汚いさすが門番きたない。ストレスで僕の寿命がマッハです。寧ろもう寿命なんて残ってないかもしれない。
 目の前にマッドさんがいるし。

「……orz」

 大事なことなので、口にも出して表現しますた。

「まぁ、冗談はほどほどにして。急に血を失ってるから、暫くは辛いと思うけど大丈夫よ。少し安静にしていればすぐに回復するわよ」

 マッドさんが優しい。もしかしたら、今までの自分の行いを反省して心を入れ替えたのかもしれない。もしそうなら、僕はマッドさんと友好な関係が築けるだろう。今までのことを謝罪してくれるのなら、水に流して良い交友関係を

「この薬の実験には丁度いいわ」

「やっぱりそんなことだと思ったよ!」

 ベッドから転げ落ちるようにして僕は脱出を試みる。体はまだ万全じゃないけど、人間必死になればなんとかなるものである。やはりこの人とは永遠にわかりあうことなどできないのだ。
 僕、哀れな実験台。マッドさん、狂気に取り付かれたマッドサイエンティスト。僕はマゾじゃない。

「生きる! 僕は生きて布団と添い遂げるんだ!」

 生きるための脱出である。おうちに帰れば僕の嫁である布団ちゃんが妖艶に誘っているに違いない。それに飛び掛り、燃え上がるような熱い一夜を過ごすんだい。

「あらダメよ急に動いちゃ」

 視界の隅でマッドさんが何かを投げるのが見える。手近にあったもので僕はそれを防ぐ。

「避けろ、ナッパ―――――っ!!」

「いや貴方が私を盾に、ていうかナッパって誰!?」

 ぷすりんこと新参ホイホイのおでこに注射器が刺さった。くたりと重くなる新参ホイホイの姿に、恐怖を覚えた。

「な、なんて人だ、味方までお構いなしか!」

「それは貴方が盾にしたからでしょう……」

 ごもっともです。新参ホイホイには後日、人参の束を差し上げることにする。

「何やってんの?」

「げ、兎詐欺」

「……お兄ちゃーん!」

 妹プレイか! いや違う、そんなわけはない。兎詐欺の目的は僕を足止めすること。その証拠に、小さい体を僕の足にへばりつかせて身動き取れないようにしている。
 HA☆NA☆SE!

「お師匠ー、今のうちに」

「よくやったわてゐ。まったく、うどんげを犠牲にする羽目になったじゃない」

「最初からしなければいいと言わざるを得ない。そうすれば新参ホイホイだってやられずに済んだ! いい加減離せ兎詐欺」

「やなこった」

 ええい、この兎詐欺め本当に腹黒い。因幡の白兎伝説の最後にやられてしまえば良かったのだ。きっとこの兎詐欺を救った人は、すごい寛大な人だったに違いない。とりあえずその人を殴らせてほしい。

「ふふふ、祐樹君からはいい実験結果が得られるから嬉しいわぁ」

「人権の侵害だ!」

「大丈夫よ、死なないように手加減してるから」

 手加減て。僕はマッドさんの実験を受ける度に死にかけてるんだけど、あれで手加減されてたみたいで。そうじゃなかったら僕、既に時の人ですか?

「それじゃ、ぷすっと」

「はうっ」

 痛みを感じてからすぐ、僕の意識はなくなった。

 くそー、いつの日かマッドさんにはぎゃふんと言わせてやる……お。
スポンサーサイト


この記事へのコメント

この記事へコメントする















神薙 祐樹

  • Author:神薙 祐樹
  • 1987年3月11日生まれ。
    うお座のAB型。
    現在は雇われ店長としてブラックな職場で日々働いて時間を失っています。

    RO現在休止中。Mimir鯖所属、主に影葱。ガンダムオンライン、ガンダムジオラマフロントにはまってます。

    SS書く時間がほしい。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。