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実験作三作品目






 ナイフ長の御飯をたらふく頂き、僕は破壊ちゃんと一緒に紫もやしの住処である図書館へとやってきた。時々疑問に思うんだけど、この図書館って名前あるの?

「……別に決めてないわ」

 紫もやしに聞いたところそんな返答が帰ってきた。じゃあ紫もやしランドとでも名づけよう。うちに帰ったら看板作らないと。入り口に貼り付けて、やってくる人の反応が楽しみだ。

「何の用?」

 本から目を離さず紫もやし。

「特に用事なんてないよ。まぁ強いてあげるなら、紫もやしとパシリの顔を見に来たって所」

「だからその紫もやしっていうのやめてくれない?」

「私はパシリじゃありませんってば!」

「断る」

 まったく、皆もいい加減諦めればいいのに。僕は名称を変える気はさらさらないというのに。

「ところでさ紫もやしにパシリ」

「パチュリーよ」

「小悪魔です」

「僕はとんでもないことに気付いたんだ。もしかしたら、この事実を発表したが為に消されるかもしれない」

 例えそうなったとしても僕は満足である。新たな発見を世に送り出すというとても名誉なことが出来るんだから。

「……何?」

「いやさ、セミっているじゃない。夏にみんみん鳴く」

 幻想郷にも当然のように季節はあり、夏になればセミも鳴く。正直うるさくてかなわないけど。

「いるわね」

「セミってあのうるさいの?」

 破壊ちゃんもセミは見たことあるらしい。

「そうそう。あれって七年間地中で育って、一週間で死ぬって言うじゃないか。短命にもほどがあるし、良く絶滅しないなって思わない?」

「……まぁ、そうね」

「だから僕は考えたんだ、セミが何故絶滅しないのかとセミの存在理由を」

 そして恐るべき結論に達した。これに気付いた時、衝撃が走ったね。紫もやしは相変わらず眠そうな顔で、破壊ちゃんは面白そうな顔で僕を見ている。パシリは途中でいなくなった。

「セミが絶滅しないのは、地中の中にセミを作る機械があるからなんだよ!」

「は?」

「だって考えてもみなよ。いくらセミが子供を作っても、かなり長い間地中で育たないと出てこれない上に一週間なんていう短い命だよ? 生産よりも絶滅する方が早いに決まってる」

 なら、なんで絶滅しないのか。

「地中の中に大量のセミ生産工場……セミコロニーがあるからだよ。そこで無数のセミが生産されてるに違いない。そうすれば全て納得できるんだ」

「バカじゃないの? そんなものあるわけないでしょう」

 失礼な。でも、これは一つの可能性だ。二番目に信憑性のある話なだけ。一番目は今から話す。

「じゃあこうだ。セミの中にマスターゼミっていうのがいて、そいつは千年ぐらい長生きして無数のセミを生み続けてるんだ。寿命が来たらこれまた無数にいる女王ゼミの中から一番カリスマのあるセミを選挙で決めて、マスターゼミにする」

「今カリスマと言ったかしら?」

 どこからともなく現れるうー☆が僕の後ろに。腋巫女のところから戻ってきたのか。

「言ったよ、うー☆」

「いい加減その名前はやめなさい」

「断る。で、セミの存在理由だけど……マスターゼミの前には始祖ゼミがいて、それは地球が出来た時から存在してたんだ。即ち、地球はセミで出来てるんだよ!!」

 なんて恐ろしい事実に気付いたんだ僕は。僕達が存在しているこの地球は、セミで出来てるんだ。マントルもマグマも、本当はセミ。火山から噴火して出てきているのは、あれは全てセミ。なんて恐ろしいんだ、この地球は。
 幻想郷の地中にも、きっと女王ゼミがいる。そしてそいつがもしかすると、近い将来マスターゼミとして選ばれるかもしれない。

「ほら、恐ろしい事実でしょ? きっとこの事実に気付いた僕はどこかの組織に消されてしまう」

「……呆れて物も言えないわ」

 失敬な。僕の導き出した結論になんの文句があるんだ紫もやしは。

「ね、ね、祐樹。それ本当?」

「あぁ、本当だよ破壊ちゃん。きっと僕は気付いてはいけない事実を知ってしまったんだ」

「法螺もそこまでくると感心するわ。フラン、祐樹の言ってることは何の根拠もないデマだから信じないようにね」

 僕の味方がいない。幻想郷は本当に冷たいところです。破壊ちゃんぐらいだよ、僕の話を真に受けてくれるのは。癒し要因だね。

「ええい、なんて館だここは。人の話を信じようともしない。そんな館は青く塗りつぶして紅魔館から蒼魔館と改名させてやる」

「やめなさい!」

 ちぇっ。

「ところでうー☆、腋巫女の所から戻ってきたんだね」

「えぇ。大した用事もなかったし、ただ霊夢の顔を見に行っただけだしね」

「ゆりゆりーん」

 殴られた。痛ひ。

「どうぞ」

 パシリが紅茶を入れて持ってきてくれた。流石パシリ、少し話し続けて喉が渇いてたので頂く。あまり紅茶が好きじゃない僕だけど、入れてくれたのなら頂くまでだ。

「ありがとうパシリ」

「だからパシリじゃないと……」

 無視。

「私も喉が渇いたから頂こうかしら」

 そこでなんで僕を見るのかな、うー☆は。一歩後ずさると、一歩近づいてくる。二歩後ずさると、三歩近づいてくる。四歩横に歩けば、そこは壁だった。

「ふふ」

「待て、僕の血を吸っても美味しくは」

「あら、前に吸った時は中々だったわよ? 大丈夫、安心なさい。ちゃんと手加減はしてあげるから」

 そんな気遣いなどノーサンキューです。どうせなら血を吸わないという気遣いを見せてくれると、僕もうー☆に大してほんの少し対応を変えるのだけど。

「お姉さまー、私も祐樹の血欲しいー」

 ブルータスお前もか。二人で吸われた日には、正直生きて帰れると思えないんだけど……。冷や汗が僕の頬を伝う。

「流石に二人で吸うと祐樹が死ぬわねぇ」

 是非ともやめてくれると嬉しいです。

「しょうがないわね」

 やった、勝った! 第三部、か

「今日はフランに譲るわ」

 僕の人生終了のお知らせ。

「わーい!」

 飛び掛ってくる破壊ちゃんを避けられるわけもなく、哀れな生贄の僕は地面に押し倒される。女の子に飛び掛られるなんて、正直嬉しいことかもしれないが身の危険しか感じない。血を吸われるのがないのなら大歓迎なんだけど。

「命の危険を感じる件」

「大丈夫、祐樹が死んじゃうと面白くないから手加減する!」

 いや、手加減云々以前にやめてくれるとありがたいんだけど、ってあっ……。

「あむ」

「あぁん」

 噛み付かれてちゅーちゅー吸われていく僕の血液達。痛いのと気持ちいいのが同居してエクスタシーな感じ。そして遠のいていく意識。


 最後に感じたのは、見た目より柔らかい破壊ちゃんのお胸の感触と首に噛み付く唇の暖かさ、そして女の子のいい匂いでした。
 どきどきしました。



 ※作中のセミ云々の話は、先日のバイト仲間との話で本当にしてたことです。面白かったので使ってみた。
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神薙 祐樹

  • Author:神薙 祐樹
  • 1987年3月11日生まれ。
    うお座のAB型。
    現在は雇われ店長としてブラックな職場で日々働いて時間を失っています。

    RO現在休止中。Mimir鯖所属、主に影葱。ガンダムオンライン、ガンダムジオラマフロントにはまってます。

    SS書く時間がほしい。
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