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十七話

 先程まで暗い雰囲気に包まれていた衛宮家の居間であったが、既にその空気はない。それもアサシンが炬燵に入り、横になりながらテレビを見ているせいである。その姿どう見てもアサシンというサーヴァントには見えない。ただのぐうたら親父だ。


「あー、さむ……炬燵最高」


 もそもそと炬燵に入り込む。都合、セイバー、士郎、凛、イリヤ、アサシンの五人が炬燵にいることになる。イリヤも初めて見る炬燵に、興味しんしんの様子。炬燵の上に置いてある蜜柑を、アサシンと分け合って食べている。
 和みムード満天の居間だが、凛とセイバーは未だにアサシンとイリヤに対して心を許してはいない。士郎は知らん。

 とりあえずのところ、戦う意志がないことは確かなので手は出さない。アサシンに関しての情報は、真名は分かったが対処法はまったくなし。そもそも弱点なんて思いつかない。強いて言うなら、寒いのが弱点とも見える。魔術も無効化する宝具に、見えない力の行使、そしてセイバーと同じ剣。


(こいつある意味最強なんじゃないの?)


 心底そう思う。セイバーも反則的な対魔力を持つが、アサシンは宝具でセイバーほどではないにしろ、ランサーほどの対魔力能力を持ちえ、気配遮断で相手に気付かれず近付く事ができ、微弱ながらも近接戦闘もこなす暗殺者。
 とことんイレギュラーである。


「イリヤ、その白い筋も食べれるんだぞ」


「えー、そうなの? ……でも、美味しくなさそう」


 むーっと蜜柑にへばりつく白い筋を睨みつける。苦笑しながら蜜柑を口に放り込むアサシン。それを見てると、どうしても人間にしか見えない。なんか色々とやりにくい。仕方ないので紅茶を飲んで、今日のところは無視しておこう。うん、遠坂凛は今日何も見なかった。


「凛、現実逃避は見苦しいですよ」


 セイバーの冷静な言葉に現実逃避しかけた凛の意識が戻る。溜息と共に胡乱気な瞳でアサシンとイリヤを直視。こいつら、本当に聖杯戦争に参加してるつもりなんだろうか。普通に敵の家にやってくるし。


「ふぁ……っと、あんまりお邪魔すんのもあれだなぁ」


 欠伸と共に、背伸び。ぽきぽきと骨の鳴る音が聞こえ、アサシンは炬燵から抜け出す。未だに白い筋を睨みつけているイリヤを抱えて立ち上がらせて、服をはたく。


「いや、本当邪魔しちゃって。ごめんなー、衛宮」


「あー……いや、いいよ。色々そっちのことも知れて、良かったし」


「そう言ってもらえると嬉しいよ。……でも、次の夜に会った時は、馴れ合いもなく、倒しにかかるからな」


 鋭い視線を向ける。それに一瞬、辛そうな表情する士郎だが小さく頷いた。彼も分かっているのだ、これが魔術師同士の争い事。本来この馴れ合いですらないものだったことに。
 次の夜、彼らは互いに敵として相対する。その時、果たして一体どちらが生き残り―――どちらが倒れるのか。それは彼らが相対したその時に明らかになるだろう。
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神薙 祐樹

  • Author:神薙 祐樹
  • 1987年3月11日生まれ。
    うお座のAB型。
    現在は雇われ店長としてブラックな職場で日々働いて時間を失っています。

    RO現在休止中。Mimir鯖所属、主に影葱。ガンダムオンライン、ガンダムジオラマフロントにはまってます。

    SS書く時間がほしい。
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