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十四話

 誰も俺を知らない、というアサシンの発言でイリヤを除く面々は今聞いたばかりのアサシンの真名について考える。

 相沢祐一という、明らかに日本人の名前。過去にそのような人間がいたとしても、ごく平凡に近い名前の人物を知っている者は凛達の中にはいない。誰も俺を知らないというアサシンの言葉は正しい。


「確かに誰もアンタの事は知らないわね。名前からして明らかに日本人っぽいし」


 腕を組み、不満気に漏らす凛。士郎もずっと考え込んでいるが、何も浮ばないらしい。相変わらずアサシンはテレビに視線を向けながら、煎餅を齧り続けている。ばりばりと、歯で噛み砕く音が衛宮家の居間に響く。


「日本人だよ。しかもこの時代のな」


 あ、このアイドル出たばかりの時だったんだなと呑気に感想を漏らしているくつろぎモードのアサシン。テレビで踊りながら歌うアイドルの姿に釘付けのアサシンの姿を見て、イリヤが剥れるがアサシンは気付かず。
 またもや何でもないことのように爆弾発言を口にするアサシンに、もう怒りが湧くどころかもう呆れるしかない面々。その面々の中で、違う事を感じる存在があった。


(私と同じ時代の英雄――――)


 遠坂凛のサーヴァント、アーチャー。真名・詳細共に凛ですら知らない正体不明の英霊。アーチャーは自分と同じ時代に成った英雄の、相沢祐一という存在が気になっていた。横になりながらテレビを見続けるアサシンの姿を、見下ろしながら思考の海を泳ぐ。


(……彼は一体何を思って、英雄などというものに成ろうととしたのか)


 心に浮んだのはそれに尽きる。アーチャーは英雄などにはなりたくなかった。彼がなりたかったのは■■の味方。万人を救える理想の具現。それは、遥か昔に■■■■が■■■嗣から受け継いだ尊き理想……。
 そこまで考えて自身の考えに嘲笑する。万人を救える人間などには決してなれはしない。必ず一を切り捨てなければ、救えない人間がいる。


(だからこそ、私は――――)


 殺意が胸に溢れる。今はまだその時ではないと、溢れた殺意を押し殺す。その前に、自分と同じくこの時代で英雄と成ったアサシンの言葉を聞いてみたい。
 アーチャーは、その欲求に素直に従った。


「ならば、アサシン……いや、あえて相沢祐一と呼ばせてもらうが。貴様は何故、“英雄”などというモノになったのだ?」


 アーチャーの紡ぐその言葉には、暗く澱んだ感情が込められていた。凛と士郎が怖気さえ覚えるほどに。
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神薙 祐樹

  • Author:神薙 祐樹
  • 1987年3月11日生まれ。
    うお座のAB型。
    現在は雇われ店長としてブラックな職場で日々働いて時間を失っています。

    RO現在休止中。Mimir鯖所属、主に影葱。ガンダムオンライン、ガンダムジオラマフロントにはまってます。

    SS書く時間がほしい。
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