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八話

 しつこく食い下がってくるアサシンに、士郎はついに観念したのかケーキ屋の店員のお姉さんにケーキの代金を支払い、受け取ったケーキの入った箱をイリヤへと渡す。
 受け取ったケーキ箱を嬉しそうに見つめるイリヤを、これまたアサシンは微笑ましそうに見る。そんな二人の姿を、士郎とセイバーの二人は意外なものを見たような目で見ていた。

 ―――聖杯戦争は殺し合い。それに参加する魔術師は例外なく、出会えば殺しあう。そんなものだ。しかし、今の状態のこの二人を見る限りこの聖杯戦争に参加しているようには見えない。なんというか、ごく一般家庭にいるような、仲睦まじい兄妹だ。
 士郎は、なんだか嬉しくなった。つい前日、命の奪い合いをした相手ではあるが、人間的な面があると知って仲良く出来そうかななどとも思い始めている。それも、夜なれば容赦なく戦いあうとしても昼のうちだけは、世間話でも何でもして色々話してみたい。
 その点を考えれば、アサシンの提案した喫茶店でお茶という行動は良い事かもしれない。自分達は、互いについて何も知らなさ過ぎる。ここは、腹を割って話し合うべきだろう。


「――で、どこでお茶でも飲むんだ。生憎と、この商店街に喫茶店みたいなのはないけど」


 士郎の言葉に一番驚くのはセイバーである。こんな敵陣の中に飛び込むような真似、易々と受け入れるとは――――!
 驚きを通り越して、怒りさえ湧いてくる。この常識外れの偏屈マスターを、どう説教してやろう。そんな事さえ思う。

「ん……そう、だなぁ。召還された俺にここの地理なんか分かるわけないしなぁ……む、セイバーのマスターの家とか」


「別にいいけど。……言っておくけど、いきなり戦闘なんてなしだからな」


 ジト目で釘を刺す。その視線に苦笑を浮かべるアサシン。それはないから安心してくれ、と肩を竦める。そのままイリヤへと視線を投げかける。異存はないな、というアイコンタクトだ。それに頷くイリヤ。全て問題なし。
 ……セイバーを除いて。


「私は賛成しかねます。仮にもアサシンとイリヤスフィールは私達の敵だ。そんな者達を招くなど、反対です!」


 私、譲りませんとも言わんばかりの姿勢を見せる。士郎はそのセイバーの放つ威圧感に圧され、言葉を発する事が出来ない。たかがサーヴァントの癖に……と、イリヤは心の中で不満を零す。それを言えば、アサシンもサーヴァントなのであるが、イリヤの中でアサシンは他のサーヴァントと一線を引いて違う存在として確立されているので、問題は無い。保護者兼ボディーガード、そして自分の中だけで思っている恋人のような存在。最後の思考にイリヤは頬を染める。
 アサシンは参ったとばかりに視線を泳がせて頬を掻く。どうすれば信用してもらえるか、と考えて一つ考えが浮ぶ。


「じゃあ、俺を拘束するとか……嫌だけど、腕を切り落とすとかすればいいんじゃないか?」


 あっさりと言いのけるアサシンを、三人は驚いたように見つめるのであった。
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神薙 祐樹

  • Author:神薙 祐樹
  • 1987年3月11日生まれ。
    うお座のAB型。
    現在は雇われ店長としてブラックな職場で日々働いて時間を失っています。

    RO現在休止中。Mimir鯖所属、主に影葱。ガンダムオンライン、ガンダムジオラマフロントにはまってます。

    SS書く時間がほしい。
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