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二話

月明かりの下、セイバーとアサシンがぶつかりあう。セイバーの武器は不可視の剣、対するアサシンの武器は短刀。セイバーが放つ斬撃を、アサシンは正確に捌き続ける。
 白兵戦を得意とするセイバーがこの場で圧倒的に有利だ。アサシンのサーヴァントは、マスターを狙った戦法を取るのに秀でている。しかし、真正面から戦う事には特化しておらず、ましてや相手はセイバーのサーヴァント。不利は必死だ。
 背後から高速で接近する物体を直感にて感知。飛んできた矢を体を捻る事で回避。


「隙だらけですよ、アサシン!」


 不可視の剣を振りかざし、セイバーの斬撃がアサシンに襲い掛かる。短刀で防ぎきるには、到底不可能な一撃。


「アサシンっ!」


 イリヤの悲痛な叫びが木霊する。セイバーのマスターである衛宮士郎、そして先程の矢を放ったアーチャーのマスター、遠坂凛は勝利を確信した。
 やはり、アサシンのサーヴァントでは最強のサーヴァントであるセイバーに敵う筈もない。たとえ万全な状態でなかろうと、アサシン程度のサーヴァントに負ける事など、到底ありえな――――


「……純然なる想いの剣ピュアウィッシュ


 セイバーの斬撃は、アサシンの手に『生み出された』剣によって防がれた。アサシンの持つ宝具の一つ『純然なる想いの剣』によって。


「なっ……!」


 確実に屠ったと思ったセイバーは、驚きに表情を変える。その一瞬をアサシンは見逃さず、鎧ごとセイバーの体を蹴り上げる。

―閃走・六兎―

 六つの蹴りが鎧を通して、セイバーの体の奥底に響く。ぐっと息を詰まらせながら、衛宮士郎の下へと飛ばされる。
 セイバーを吹き飛ばしたアサシンに向かって、アーチャーの放った九つの矢が迫る。それを一つ、二つ、三つ……生み出した剣で確実に切り払うアサシン。吹き飛ばされたセイバーも、すぐに体勢を立て直しアサシンへと向かう。


「何者よ、アイツ……本当にアサシン?」


 疑惑を露にする凛。イリヤスフィールは確かに命令をするときに『アサシン』と呼んだ。だがアサシンにしてはやけに強い。
 マスター狩りの代名詞であるアサシンには、対して戦闘力はない。だが、あのアサシンにはセイバーとまともに打ち合う力があり、剣という武器まで持っている。
 イレギュラークラス……そんな単語が凛の脳裏によぎる。それならば納得が可能だ。アサシンには決まった英霊しか召還されない。と言う事は、あれはアサシンのクラスに納まったイレギュラーなのだろう。


「……『見えざる少女の想いの力スピリットオブウィッシュ』」


 アサシンが短刀を持った左手をセイバーに向けてかざす。嫌な予感が胸全体に広がる。咄嗟にセイバーは不可視の剣を体の前に持ってくる。
 突如、セイバーの体が後方に向かって大きく弾き飛ばされる。まるで見えない力をぶつけられたように。
 二つ目の宝具『見えざる少女の想いの力』。


「セイバーっ!」


 思わずセイバーへと駆け寄る士郎。追い討ちをかけるべくアサシンは疾走する。手には『純然なる想いの剣』。
 そのアサシンに向けて、凛は魔力を込めた宝石を叩き込む。


「この、喰らえっ……!」


 放たれた魔術はBランクほどの大威力。対魔力を持たぬアサシンには十分すぎるほどの代物だ。
 背後からはアーチャーの放つ矢の大群。数にして、約十五。進めば魔術、下がれば矢の群。

「『想いの篭りし雪のストールストールオブウィッシュ』!」


 矢の群を剣で切り払い、正面からくる魔術は生み出したストールを高速回転させることにより、完全に無効化する。


「……本当、何て出鱈目な奴よ」


 恐怖さえ含んだ凛の呟き。そんな凛や倒れたセイバーの姿を、イリヤは微笑を浮かべて見下ろしていた。


「私のアサシンは最強よ。私のパートナーなんだから」


 当然といった言葉が、夜の闇に響いた。
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神薙 祐樹

  • Author:神薙 祐樹
  • 1987年3月11日生まれ。
    うお座のAB型。
    現在は雇われ店長としてブラックな職場で日々働いて時間を失っています。

    RO現在休止中。Mimir鯖所属、主に影葱。ガンダムオンライン、ガンダムジオラマフロントにはまってます。

    SS書く時間がほしい。
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